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ロックの部屋

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PHIL COLLINS

フィル・コリンズ『SERIOUS HITS。。。LIVE!』



今思えば、ソロ作品のフィル・コリンズはどうしてこれほどまでにアメリカ被れになってしまったんだろうと思う。ジェネシスでのフィル・コリンズはイギリスらしい繊細なフィルなのにソロ作では大味です。まぁ、ジェネシスとソロアルバムと2度美味しかったという事でそれで良かったんですけどね。

音的に捉えれば、フィル・コリンズのソロアルバムはチープなリズムボックス(リズム・マシーン)をポップソングに多様して成功した人でもあって画期的でもあるのです。

フィル・コリンズが初めてリード・ヴォーカルをとったのがジェネシス時代のアルバム『月影の騎士』からでした。それも2曲程度しか歌っていません。ピーター・ガブリエルと比べると声量感はなかったし、か細く、歌うと言うよりは語りかける感じの歌い方でした。

それがピーター・ガブリエル脱退の後、新しいヴォーカリストを迎えるはずが適当な人が見つからず、フィル・コリンズがリード・ヴォーカリストになってしまったという訳。でも予想に反して以後のジェネシスでのフィルのヴォーカルもピーターに劣らず素晴らしかったです。ポップ度が増したところなんか。

ピーター・ガブリエル在籍時代は脇役だったフィル・コリンズも表舞台に出てからは、持ち前のひょうきんさと人柄の良さを発揮することになります。

そしてソロアルバムの発表。この人のアルバムの共通点、それはアルバムジャケットに自らの顔を堂々と出してしまう事。髪の毛の薄さも気に掛けず……
例外はこの『SERIOUS HITS。。。LIVE!』だけ。これはステージセットに浮かび上がるメリーゴーランドを採用していました。

フィル・コリンズの数多いソロ作品の中では、ライブの臨場感たっぷりでベスト曲集であるこのアルバムあたりがお奨め作になるのではないでしょうか。

バラードナンバーがやはりいいですね。「One More Night」「Against All Odds」そして「Separate Lives」「Groovy Kind Of Love」は何度聴いてもうっとりします。先に大味と書いてしまいましたが、それはファンキーな曲においてであってバラードナンバーではデリケートさ繊細さも持ち合わせていますね。

実は私、初来日公演見に行ってます。80年代だったと思うけど日本武道館へ、この『SERIOUS HITS。。。LIVE!』を聴くとやはり思い出します。曲もほとんど一緒だと思いました。後半の「You Can’t Hurry Love」からのジワジワ盛り上がる様と臨場感は当時のライブの会場にいるかのような気分になります。ラスト1曲前では「Easy Lover」を熱唱、ビデオクリップでのフィリップ・ベイリーとのデュエット想いだすなぁ。そして「Take Me Home」でお終い。余韻に浸りながら、家路に着くというわけです。

最近のフィル・コリンズはこの当時の勢いはないようですが、また素敵なラブ・バラードを聴きたいですね。


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